光触媒の効果「活性酸素発生」 |
二酸化チタンに大気中で光を当てると、その表面に活性酸素ができます。
活性酸素とは不安定で反応しやすい酸素のことです。
私たちのまわりにある汚れや臭いの成分は、ほとんど有機物です。
この有機物を、完全に酸化してしまえば、二酸化炭素と水だけになります。
活性酸素はたいていの有機物を完全酸化できます。
細菌や病菌も有機物ですから、表皮を酸化して分解し、殺すことができます。
大気汚染物質である窒素酸化物も酸化して、硝酸にすることができます
このように二酸化チタンに光を与えるだけで、有害物質を完全に分解してしまいます。
光触媒の効果「超親水性」 |
酸化チタンに光が当たると、その表面が超親水性になります。
これは、光触媒作用そのものではありませんが、酸化チタン光触媒の実用性から言えば、光酸化力をしのぐ重要な機能です。
窓ガラスや鏡が水蒸気で曇ることがよくあります。これは、ガラスの表面に細かい水滴がたくさん付着して、水滴一つ一つが光を散乱するためです。
ところが酸化チタンをガラス表面にコーティングして光を当てると、水滴は一様に広がり薄い水の膜となります。そのため、光の散乱はなくなり曇らなくなります。水滴が丸くなるか、横に広がるかは、水滴が付く物質の親水性、すなわち水に対する"なじみ易さ"によって決まります。
親水性が非常に大きいと、付着した水滴は横に広がって水膜になります。これを超親水性といいます。
超親水性は曇りを防止するだけではなく、汚れを付きにくくする働きもします。油性の汚れはなかなか取れにくいものですが、超親水性の表面では水が表面と汚れの間に入り込み、汚れを浮き上がらせます。